「先生、私たちが株取引をする時に利用する証券会社って、いったいどんな事をするところなのですか?」
「はい。それを説明する前に、まず株や株式の話からしていきたいと思います。株式は会社を運営するための資金がほしい様々な各企業・各会社が発行しますが、一般の人はそうした企業・会社から直接株式を購入したり、証券市場から直接株式を購入したりする事は出来ません。
そこで金融庁に登録された証券会社といったものを通して、株を購入する必要が出て来ます。つまり一般の人は、口座を開設した証券会社に売買注文を出して、証券会社が仲介して証券市場から客の注文に基づいた株を購入する事で株(上場株)を手にする事が出来ます。
こうした株式の仲介売買が、証券会社の役割として行われている事の一つになります。」
「また昔はこれを人の手でやっていたのですが、今は東京証券取引所などの証券市場と各証券会社のシステムが連動して、一般の人がパソコンで買い注文をすると、(売り買いの値段が合えば)証券会社のシステムを通して自動的に証券市場から株の購入をしてくれるといったようになっています。
そのため昔の株券は紙の証書でしたが、今の株券は電子マネーや仮想通貨と同じコンピューター上のデータ(形式の証書)になっています。」
「お客さんの注文に基づいて、そうした株の仲介売買をするのが証券会社の役割の一つなのですね。」
「はい、それを証券会社の仲介業務やブローカー業務と言っています。証券会社は他に、様々な企業が新たに発行する株式や社債などを直接引き受けて、市場を介さず直接、投資家に株式を売るアンダーライター業務、ほかに仲介ではなく証券会社自身が直接株の売買利益で儲けるために、市場で株式などの取引を行うディーラー業務といったものなども行っています。
まとめると、証券会社が主に行っているのは、株式の仲介売買であるブローカー業務、直接に株式を企業から引き受けて、市場を通さず投資家に売るアンダーライター業務、証券会社自身が株式投資などの取引で利益を得るディーラー業務の3つになります。
そして繰り返しになりますが・・・私たち個人は証券取引所での直接取引をする事は出来ないため、証券会社の仲介売買であるブローカー業務を介する事によって、(私たち個人は)株の売買をする事が出来ます。」
次回は、注文取引について(発注方法、取引時間・・・)です。
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