「今回は、外国の投資家の動きや特徴と国内投資家の特徴などを比較しながら、それらの特徴を説明していきたいと思います。」
「よろしくお願いします。」
「2019年現在、国内株式市場の投資家の状況は、外国人投資家の比率が5から6割近く、国内の個人投資家の比率が2から3割近く、国内の機関投資家の比率が2割ほどという構成になっていて、外国人投資家の動きが株価に与える影響は非常に大きくなっています。国内株式市場は、そうした外国人投資家に大きく支えられている反面、大きく左右され振り回されるリスクも大きいと言えます。」
「日本の株式市場は海外からの資金が多いのですね。」
「はい。国内投資家に比べて、いろいろな制約があるとはいえ、国内株式市場での外国人投資家の比率は非常に多くなっています。そのような状況の中で、私達個人投資家が上手く取引をしたり利益を出したりしていくために、知は力なりで、それぞれの投資スタイルや特徴などについて説明していきたいと思います。」
「敵を知り、己を知るですね。」
「はい、そんな感じですね。どんな事でも関連する周囲の状況まで把握するのは必要ですよね。最初に国内の個人投資家の特徴からです。私達、個人投資家は、機関投資家などと違って、利害関係にとらわれずに好きなように投資出来るのが特徴ですね。そして、これがメリットでもあります。ただ会社勤め等、専業の個人投資家ではない、私達大半の個人投資家は実質的な投資出来る時間などに制約が出て来ますが・・・。それでも好きな時に好きなように、短期投資や長期投資を自由に出来る可能性があるのは個人投資家の特徴といえます。
また外国人投資家に対するメリットとしては、国内の会社の事なので、外国人投資家よりも早く会社の情報が入る点が挙げられます。他に個人投資家の場合、少額取引においては、期間限定のNISAなど税金などが免除される制度があるのも特徴でありメリットです。」
「NISA、私もはじめました。」
「次に外国人投資家の特徴です。最初にも述べましたが、国内株式市場の外国人投資家の比率は5割以上とかなりの影響力があるものになります。また、2018年度末の外国人投資家の日本株保有比率も2014年以来下がっているとはいえ約3割あり、外国人投資家にとっても日本株の重要性は少なくないものと思われます。そうした外国人投資家、主に機関投資家になりますが、その特徴を説明したいと思います。まず外国の機関投資家にも2種類あります。」
「2種類あるのですか?」
「はい。一つが安定運用を目的に長期投資を行う海外の銀行や保険会社や投資信託など、もう一つが比較的自由な投資活動を特徴とする海外のヘッジファンドや証券会社のディーラー部門などです。海外の銀行や保険会社や投資信託の場合、預かり資金の安定運用のために日本の優良企業へ長期投資を行うのが特徴です。国内企業にとっても、優良な安定株主と言えるかと思います・・・。
次に海外のヘッジファンドや証券会社のディーラー部門の特徴です。こちらは相場を動かしやすい時価総額の少ない小型株などに大きな投資をして、相場を動かしながら、短期売買などで利益を上げていくところが多いのも特徴です。
海外ヘッジファンドの動きに上手く乗れれば、大きく儲ける事も可能ですが、情報や経験が少ない個人投資家、特に初心者は避けた方がいいと思います。あまり聞かない銘柄が、最近突然大きく上げ出しているからと、購入した途端に大きく下げたりするリスクも高いからです。」
「波に乗るのも大変ですね・・・」
「最後に、国内の機関投資家の特徴です。こちらも海外の機関投資家と同じように銀行や保険会社などは、国内の優良企業に長期投資して、安定株主になる事が多いのが特徴です。国内証券会社のディーラー部門は海外のヘッジファンドほどではないのですが、プロが短期相場の波をとらえて取引をして、相場の流れを作りながら短期売買などを行うのが特徴です。」
2019年9月第4週(金額ベース売買状況・投資家種類別グラフ)JPXデータより