「今回は短期投資、中長期投資についていろいろとお話したいと思います。」
「短期と中長期の投資についてですか?」
「はい、株式投資にも中長期、短期といったやり方があり、それぞれに合わせたやり方があります。
短期では、デイトレという一日で売り買いを終了する取引方法やスイングといって、買って上がったらすぐ売るというのを一日に何度も繰り返す目まぐるしいやり方などがあります。こうした短期投資(投機)では、会社の業績や財務はあまり関係なく、株価チャートの動きを見ての売り買いが主になります。
デイトレのような短期の投機では、ほとんどの場合、勝っている人達の年の利益率は良くて20%ぐらいと…頻繁な取引による労力の割にはあまり利益は大きくありません。
また思惑と違う方向に突然大きく動き出した時などに損切り出来なくて、手ばなせないでいて長期保有になってしまう場合もあります。そして短期のつもりが長期で塩漬けという場合も少なくありません。」
「デイトレで大きく儲けている人の話も時々、テレビなどで聞いたりするのですが、平均的には思ったほどの利益は無いですね…
中長期の場合はどうですか?」
「短期も上手にやれば、それこそ50万を1年半で数億にしてしまう人もいたりするなど、大きく稼ぐのが不可能とは言いませんが、ごくまれでかなり困難なことと思います。
中長期ではユニクロのように、20年などと長く持ち続ける事で、保有株式総額が200倍以上になったりと大きな利益になる銘柄もありますが、それでも年利に直すと実はそれほど大きくありません。
ただ短期での頻繁な取引の場合、小さな利益を積み重ねても、たった一回の負けで、苦労して積み上げた小さな利益の積み重ねが(大きな損失で)吹き飛ばされてしまうことも多々あります。そうして投資はダメだとやめてしまう人たちも多くいます。
そう考えたら、短期投資での勝利を20年続けるより、財務分析(ファンダメンタルズ分析)をして確実に大きく上がりそうなところを見つけて長く持ち続ける方が、ほかに仕事があるサラリーマンなどにとったら、精神的にも楽で長く投資を続けられることかと思います。
ただ必ずしも、中長期投資株がいつも上がるとは限らないので、あくまでも損しても良い余裕資金で投資を行うことが前提ですが・・・
もちろん中長期か短期かは、人によって、それぞれの目的と得手不得手がありますし、どちらにも一長一短がありますので、それらを考慮して、各々の目的に沿ってどちらにするかを選ぶのが一番です。」
「中長期と短期では投資のポイントなど、いろいろと異なるのですね。」
「はい、繰り返しますが・・・
短期ではチャートの価格変化の動きで目先の需要と供給の変動を見定めて、上がるか下がるかを素早く判断して売り買いする事が重要ですし、中長期投資なら、まず財務状況を分析して目先の株価チャートの動きは気にせず会社の将来性を判断して購入する事が重要になります。」
短期投資
会社の経営状況よりも目先のチャートの動きが重要
中長期投資
チャートの動きよりも会社の経営状況や戦略などの将来性が重要