「今回は外国為替市場について説明をしていきたいと思います。」
「外国為替の取引をする株式市場(東京証券取引所や名古屋証券取引所など)のようなところですね。」
「はい。為替取引を行うための市場が外国為替市場になります。ただ株取引では東京証券取引所のような中心的な取引市場がありますが、外国為替の取引では東京証券取引所のように各FX会社が一堂に会して取引を行う中心的集合的市場といったものは存在しません。」
「国内の外国為替会社からの注文取引をまとめるような東京為替取引所みたいなところは無いのですね?」
「はい、ありません。株式の取引では、証券会社が中央株式市場である東京証券取引所や名古屋証券取引所などに取り次いで集中して株式の取引を行うのですが、FXでは相対取引の1対1の取引が行われ、個人間同士の取引が各FX会社で成立するようになっています。
そのため、東京証券取引所のような中央市場は存在せず、各FX会社のシステムで行われる個人同士の取引のそれぞれが集まって外国為替市場という概念になっています。
東京証券取引所のように、中心的な市場(取引所)が形としてある株取引の場合と異なり、外国為替取引においての市場というものは概念的なものになります。
ただ個人投資家にとっては、証券会社のシステムを通して行う株取引と同じように、FXの取引もFX会社のシステムを通して行う事になるので、取引自体は株と同じように注文してほしい通貨を買う、利益が上がったと思うところで売るという流れになるため、株式の取引と為替の取引で特に実質的な違いはないです(株の信用取引と同じように売りから入る事も出来ます)。
つまりFXの取引も株取引もする事は変わりません。ネット上のシステムで株や外国通貨の売買を行うというだけで、特に違いはありません。」
「取引所が閉まっている時間帯に、様々な証券会社同士のネットワークを通じて行うPTSと似ていますね。各FX会社が取引所としての役割を果たしているのですね。」
「はい、そうなります。ただ取引所を介さない証券会社のPTSで行われる夜間取引はどちらかと言うとマイナーな取引で参加者も少ないので、昼間の株式市場での取引の場合と違って、取引が中々成立しません。
通常の株取引は主に国内株式ですが、その国内株式の取引は日本の市場が開いている午前9時前後から午後3時前後が、やはり一番活発ですね。
つまり株式の場合、夜間取引であるPTSは、あくまで参加者の少ないマイナーな取引と言った感じです。
FXの場合は中央取引所はなく、全員がPTSのような場所で24時間常に取引をしているため、昼間でも夜中でもどんどん注文が成立していきます。
このようにFX取引の場合は、各FX会社が取引所の役割を果たしていて、昼でも夜でも活発に取引が行われています。」
次回は、為替レートになります。
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