カツオをショウガで食べる理由は?


カツオをショウガで食べる理由は?

刺身というと、マグロにイカにタコにエビなど、ほとんどの刺身でワサビを使う事が多いのですが、カツオやアジの刺身というとなぜかショウガが使われます。巷では、カツオにはショウガが合うからなどとも言われていますが、実際の理由は違うようなので、本当のところについて、調べてみました。


ワサビで食べるマグロなど

     

カツオとアジの旬
カツオというと旬が年に2回あり、それぞれ初鰹に戻り鰹と言われ、春から初夏にかけて獲れるのを初鰹、秋ごろに南の海に去っていく時期のカツオを戻り鰹と言います。
ということで、冬は日本の近郊で鰹を獲る事が出来ません。
今は南シナ海への遠洋漁業もあったりして、冬でもカツオが食べられたりしますが、江戸時代以前は基本的に春から秋にかけてしか、カツオを食べられませんでした。

味の特徴としては、春から初夏にかけての初鰹は、すっきりとしたあっさり味になります。反対に、日本の周辺の海でたくさん餌を食べて、南の海に去っていく戻り鰹は、脂のノッタとろけるような濃い味わいになります。

また、カツオと異なりアジは一年を通じて獲れる近海魚ですが、その身が美味しい脂のノッタ期間は、春から夏にかけての比較的短い期間になります。特に、秋以降のアジなどは、大味でうまみが少なくなっていきます。
   

ワサビの旬
今では、冷蔵庫などの保存方法もあり、一年中おなじみのワサビですが、実は旬があります。ワサビの旬は、11月から1月にかけての短い冬の期間になります。ワサビは、花が咲いて、栄養分を花が持っていく春から夏にかけては、味がかなり落ちます。つまり、冷蔵技術などがない江戸時代に、ワサビを美味しく味わえる期間は短い冬の間だけでした。
   

ワサビの代用
冷蔵庫などが普及する以前、上述したようなワサビの旬でない期間は、ワサビの代わりにショウガを使いました。要するに、カツオとアジの旬は、ワサビの旬とずれているため、ショウガが代用品として使われるようになりました。カツオやアジにショウガを使う理由は、それだけのため…正直、カツオやアジにワサビを使っても美味しく食べられます。

一年中、ワサビが食べられる現代では、カツオやアジに、ワサビを使って食べてみても良いかもしれません。カツオにワサビも結構おいしいですよ。

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