株式)移動平均線で買うタイミングをつかむ


(テクニカル分析)


「今回は移動平均線というものについて説明したいと思います。」


「よろしくお願いします。」


「下の図を見てください。そうすると、ローソクを結んだ流れとはややずれた青紫の曲線と、ローソクを結んだ流れとは大分ずれた赤い曲線があるかと思います。それぞれの曲線の名前がグラフの下の四角の中に書かれているのですが、青紫の曲線を5日移動平均線と呼び、赤い曲線を25日移動平均線と呼びます。これらの移動平均線を使う事で、その後の株価の動きの傾向をつかむことが出来ます。5日移動平均線は過去5日間の引値(終値)の平均を毎日計算して、それを曲線グラフにしたもので、25日移動平均線は過去25日間の引値の平均を毎日計算して、それを曲線グラフにしたものです。
移動平均線は、通常2種類の移動平均線が表示され、日中足(時間足)では1時間移動平均線と4時間移動平均線、日足では5日線と25日線、週足では13週線と26週線などと、それぞれ2種類の移動平均線(短期線と長期線)が表示されるようになっています。
日足の移動平均線は1ヶ月以内などの短期投資で、週足の移動平均線は半年から1年前後の中期投資でといった風に、自分の投資スタンスなどによって必要な期間の移動平均線を使い分けます。」

           


「移動平均、計算するのが大変そうですね。」


「証券会社や日本取引所グループなどのサイトで、各銘柄の株式チャートを見れば、まず自動的に2種類の移動平均線を表示してくれるので大丈夫ですよ。
ところで、もう一度、日足の移動平均線の一部をクローズアップして見てみたいと思います。日足の移動平均線の場合、5日線が短期線で、25日線が長期線になるのですが、短期線が長期線を突き破って下に行く時は下降トレンドになり、短期線が長期線を突き破って上に行く時は上昇トレンドになります。
短期線が長期線を突き破って下に行く事はデッドクロスと呼んで、しばらく株価は下降に向かいます。短期線が長期線を上に突き破っていく事はゴールデンクロスと呼んで、しばらくの間、株価が上に向かいます。つまり、売り時はデッドクロスになる直前、買い時はゴールデンクロスの直前になります。」


左(デッドクロス)・右(ゴールデンクロス)

        


「デッドクロスやゴールデンクロスになる直前のクロスしそうな時に取引するのがベストなんですね。」


「はい。ただ騙しも多く、デッドクロスになってどんどん落ちてくように見えた時にクロスせずに反転して上がり出したり、ゴールデンクロスになって長期上昇が見込めると思って購入したら、クロスせずに反転して、どんどん下がり出したりといった事も少なくないので、そうした時には早めに損切りするのが必要になります。」


「反対方向に動きそうな時は、損失を大きくしないためにも損切りは大切ですね。」


「はい。損切りを見誤らずにするのも、損失を減らすためには時に必要です。
ただ長期線も短期線もどんどん上がって行って、ゴールデンクロスをしたような時にはその後も大きく上がっていく事が少なくないので、クロス後に買っても遅くないかもしれません。
反対に長期線も短期線もどんどん下がって行ってデッドクロスしたような時は、その後の下げもかなり大きい事が多いので『待っていたら、すぐ反転してまた上昇していくだろう。』といった希望的観測は持たずに即座に損切りをした方が良いと思います。
とはいえ、いろいろ状況が異なる場合も出て来ますので、こうした基本を押さえて経験を積んで行くのが一番です。」
      
株式入門目次

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