「前回、代表的株式指標のPERの話をしましたが、今回も同じく代表的株式指標であるPBRというものについて説明したいと思います。」
「今回もよろしくお願いします。」
「では説明していきたいと思います。前回お話ししたPERが一株当たり利益と株価の関係で、株価の割安度を測る指標であったのに対し、PBRは会社の一株当たり資産と株価の関係で、株価の割安度を測る指標になります。またPBRでいう資産は、負債などを除いた純資産で、会社が倒産した時に株主に分配される元となる資産の事です。PBRを式にすると以下のようになります。
PBR=株価/一株当たり純資産
一株の株価が100円で、一株当たり純資産が200円だった時、PBRは0.5倍になります。会社が倒産した時、隠れ借金などが無くて、純資産を丸々換金して株数分の資金配分を受けられるとした場合(現実的にはありませんが・・・)、一株当たり200-100で100円の利益になります。
つまり会社の解散価値(潰れた会社の資産を売った時に回収出来る金額)に対して、今の株価が何倍かというのを示しています。こちらもPERと同じで、基本、数値(倍率)が小さいほど割安といえます。
PBRが1より小さい時は、会社の解散価値より株価が安く評価されていると言えます。」
「PBRは、1以下で小さければ小さいほど良いのですか?」
「必ずしもそうとは言えません。PBRがあまりに低く小さい場合は、隠れ借金などがあって、倒産の恐れがある場合も少なくないからです。倒産した場合、良くて、株価よりはるかに少ない金額しか戻って来ないですしね・・・。
そのため、PBRもPERと同じように同業種の会社のものをいくつか比較してみて、適度に低いものを選ぶのが一番良いと思います。
重ねて述べますが…極端にPBRが低いところは、隠れ借金などがある場合も考えられ倒産のリスクも少なくないと思われますので避けた方が無難です。
また以下の日本取引所グループの資料で、PERの時と同じように、業種ごとのPBRを見る事が出来ます。」
日本取引所グループ業種別PBR等一覧